(中国)2022 北京冬季オリンピック/パラリンピック無線通信管理の解説記事

中国工業情報化部(MIIT: Ministry of Industry and Information Technology) /SRRC(State Radio Regulation of China)から出されている2022 北京冬季オリンピック/パラリンピックに向けての無線機器及び通信管理に関する解説記事をご紹介します。

2022 北京冬季オリンピック/パラリンピック会場及び特別管理エリアに設置、使用する無線通信局と無線送信機器は、冬季オリンピック無線通信申請サイトを通じて事前に無線周波数の使用申請を提出し、周波数使用許可を得て、機器の確認検査の実施とラベル表示が必要となっています。また、周波数申請は、テストマッチ期間中に使用する通信局と機器については試合の30日前までに、オリンピック正式試合の周波数申請は2021年12月31日までに完了させなければなりません。

冬季オリンピック無線周波数申請サイトは、2021年1月1日から運用が開始されており、周波数使用依頼は累計は515件に達しています。

スマートフォン、ノートパソコン、スマートウォッチ、スマートブレスレット等は、周波数の申請とラベルの貼付を行う必要はありません。無線LANスポットとブルートゥース機能は作動させることができないとされています。

下記、解説記事の参考訳(全文)です。

 

準備期間及び競技期間中の無線通信管理規定の公布 冬季オリンピックに向けて無線通信管理安全保障の重要な一歩(2021-05-13)

「スポーツイベントにおいて安全は最低限確保すべきものであり、<倹約、安全、精彩>の開催要求に応じて、様々なリスクを取り除くために全面的な予防措置を講じなければならない」、習近平総書記は北京冬季オリンピック/パラリンピックの準備状況を視察した際にこの点を特に強調した。

冬季オリンピックの無線通信安全保障に関する≪北京2022年冬季オリンピックと冬季パラリンピック準備期間及び競技期間中の無線通信管理規定≫(以下、「冬季オリンピック無線管理規定」と略称する)が正式に公布された。この規定は北京冬季オリンピック安全保障の一つの基盤となる。

全体を統轄する管理規定

無線通信の安全保障は冬季オリンピックを成功に導くための核心的要素の一つであり、これには周波数の申請と許可、機器の確認検査とラベルの貼付、無線通信の監視と電波妨害の3つの作業が含まれている。指揮/管理、生放送/中継、タイム/スコア等の重要作業を円滑に行うためには、全てのポイントで失敗は許されない。

冬季オリンピック無線管理規定は冬季オリンピック及び冬季パラリンピック無線通信管理分野の最重要規定であり、準備期間、競技期間中の無線通信安全保障の全体を統轄するものであると工業情報化部無線通信管理局の責任者は説明する。

冬季オリンピック無線管理規定は無線通信安全保障の3つの作業を出発点として、準備期間と競技期間中の無線周波数の管理、無線送信機器の管理、無線通信による電波障害に関する苦情と監督・検査について規定したものであり、また工業情報化部、北京冬季オリンピック委員会、公安、国家安全、交通運輸等の各関係部門の職責についても明確に示されているため、包括的な統制、職責の明確化、秩序ある調整に効果を発揮する。

規定によると、一部の機器を除き、オリンピック会場及び特別管理エリアに設置、使用する無線通信局と無線送信機器は、これらの国内外の使用者が規定に従って北京冬季オリンピック無線通信申請サイトを通じて事前に無線周波数の使用申請を提出し、周波数使用許可を得た後、機器の確認検査の実施とラベルの貼付を経て、初めてラベルに記載されている時間とエリア内でその使用が許可されるとなっている。冬季オリンピックテストマッチ期間中に使用する通信局と機器は試合の30日前までに周波数の申請を完了させ、冬季オリンピック正式試合の周波数申請は2021年12月31日までに完了させなければならない。無線通信管理局では使用者の無線通信局及び機器の搬送の利便性にも配慮し、指定場所での確認検査、予約制による現場検査業務を提供するとしている。

スマートフォン、ノートパソコン等の常時使用する機器やスマートウォッチ、スマートブレスレット等の身に着ける機器については周波数の申請とラベルの貼付を行う必要はないが、一部の機能の使用については注意しなければならない。これらの機器については基本的な機能は正常に使用することができるが、無線LANホットスポットとブルートゥース機能は作動させることができない。現在のところ冬季オリンピックの期間中、試合会場と重要エリアには10万を超す無線送信機器が投入され使用される予定である。前出の常時使用する機器や身に着ける機器の機能に制限を設けるのは、各種無線通信業務の正常な運用を最大限確保するためでのものである。

無線通信安全保障は氷山の一角

冬季オリンピック無線管理規定の公布は安全保障の画期的な出来事であるが、これは氷山の一角に過ぎない。

2020年、北京冬季オリンピック無線組織委員会は工業情報化部の支持の下、周波数スペクトル需要の予測、周波数スペクトルマップの作製、無線監視ネットワークの定義、無線周波数申請フローの公布、周波数調整メカニズムの確立を含む5項目の無線周波数に関する技術的な目標となる任務を完成させ、国際オリンピック委員会の技術部門から高い評価を受けた。

周波数管理の重要作業問題を巡り、北京冬季オリンピック組織委員会は≪北京冬季オリンピック無線周波数申請フロー≫と≪北京冬季オリンピック及び冬季パラリンピック無線周波数管理計画≫を公布した。無線周波数申請フローでは冬季オリンピック期間中の周波数使用申請の提出方法、窓口期間、審査プロセス、意見提出等について詳細に説明されている。無線周波数管理計画では過去の冬季オリンピックの経験に基づき、周波数の申請が必要な無線送信機器を12に分類し、分類ごとに機器の具体的な説明、利用可能な周波数の状況、使用法の提案が示されており、使用者は周波数の使用状況に合わせて無線送信機器を使用する際に適切な設定を行えるので、周波数の奪い合い等を防ぐことができる。今年1月1日、北京冬季オリンピック無線周波数申請サイトが正式な運用を開始し、現在までに71の国と67の海外機関から問い合わせがあり、周波数使用需要の累計は515件に達している。

これらの成果は冬季オリンピック無線通信安全保障の事前計画に役立ち、また各部門間の協力、調整関係にも役立っている。2020年の年初、工業情報化部、北京冬季オリンピック組織委員会、北京市人民政府、河北省人民政府が先頭に立ち、軍、地方の関係部門と共に北京冬季オリンピック無線管理協力チームを結成した。このチームは無線管理作業を推し進め、≪北京冬季オリンピックテストマッチ無線通信安全保障作業方案≫、≪北京冬季オリンピック無線通信保障作業応急対応計画≫、≪北京冬季オリンピック無線通信安全保障能力配置表≫等を公布した。これらは各部門の職務分担を明確にし、重点会場と重点保障任務の内容、時間、人数、配置、責務を定め、突発事案発生時の緊急対応策を細分化し、準備期間及び競技期間中の無線管理に関する指揮系統、共同作業の手順、応急対応の効率化を確実なものにする。

冬季オリンピックの準備に向けた号令

冬季オリンピック無線管理規定が公布され、安全保障作業は大きく前進したのと同時に冬季オリンピックに向けた準備のための号令が掛けられた。計画ごとに各種の作業が始まっている。301回に及ぶ試合と練習試合の円滑な実施を通して、無線通信安全保障に対する「経験」を重ね、「実践」に基づき管理規定をより最適化した。

2月16日から26日までと4月1日から10日までの間、300余りの雪上及び氷上でのテストが試合会場である延慶、張家口、北京で実施され、成功を収めた。試合期間中は無線通信管理機関が周波数管理作業を受け持ち、新華通信社、中央電視台、国家体育総局等43の部門に529の周波数を割り当てた。無線送信機器の抜き取り検査を効率的に行い、検査を経ていない150余りの機器を傍受し、1万台を超えるテスト活動用重要無線送信機器が安全に使用できることを確認した。「実践」による無線通信の監視と電波妨害の徹底調査には200名近い人員を投入し、89台のモニター装置を稼働させ、監視時間は累計17000時間にまで及んだ。この結果、16件の電波妨害と12件の違法放送を処分した。

過去の冬季オリンピックと比べて北京冬季オリンピックの無線通信安全保障は更に困難を要する。1つには試合会場が複雑で7割の試合が山地で開催されるため、地形、電磁環境が大きく異なり、且つ厳寒での作業は更に難易度が増す。2つ目は競技期間中の無線通信サービス拠点は2地点3エリアに分かれるため、エリアを跨いでの協力関係が必要となり、如何にして安全保障作業の一致性を確保するかが解決すべき問題となっている。

無線通信安全保障は失敗が許されない作業であるため、無線通信管理機関は北京と張家口にある試合エリアに37ヶ所の固定監視ステーションを建設し、23台の移動または携帯式監視システムを効率的に配備して、先進的技術を有した「安全ネットワーク」を構築した。試合会場や飛行場等の重要エリアとその周辺では事前に電磁環境の整備作業を行い、無線送信機器型号許可抜き取り検査と市場抜き取り検査を実施し、違法に生産、販売されている無線送信機器を摘発し、潜在的な危険を根源から断ち切るよう計画されている。違法に設置し使用されている無線通信局の摘発活動は継続して実施し、「違法放送」「偽基地局」等を取り締まり、各種無線通信の安全で正常な業務運営を保証していく。

冬季オリンピック無線管理規定を基本とし、安全保障に関する作業を更に細分化して、冬季オリンピックの無線通信の安全性を全力で確保する。

原文:http://www.srrc.org.cn/article26448.aspx

北京2022年冬季オリンピックと冬季パラリンピック準備期間及び競技期間中の無線通信管理規定(原文)

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